まりにっき

まりにっき、お引っ越し。

偏っているとは思わない

「ミツバチ」が、一方の考え方に偏っている(からよくない)、という意見を聞いたので、
それに対して軽く私の異論をメモ。
思った以上に感情を静かに抑えた、しっとりとした映画だったよ、というのが私の感想で、
たぶん原発推進論者がまともに登場してこなかったことを言われているんだと思うんだけど、
もう、推進vs反対の二項対立では、根本が解けない、ということなんじゃないかな。
推進でも反対でも、今の暮らしが変えられることは事実なのだし、
近隣の農業、漁業が大打撃を受けるおそれはあまりに大きいわけだし、
建設することによって得られる「メリット」があることも確かなんだろうけど、
そこんとこを根本から見直して、その「メリット」は本当に「メリット」なのかな?
べつのかたちで「メリット」を、手にすることはできないのかな?という、
新しいかたちの模索をしていかないと、はじまらないんじゃないか、という、提起だと思った。
なので、ある一部のひとたちに寄り添った撮影だとは思うけれども、
それをもって、映画じたいが偏っているとは思わない。
「べつのかたち」への遠さも、この映画は示しているわけだし。
…以上。