まりにっき

まりにっき、お引っ越し。

なるほどの数々

 子持ちが仕事をするにはあれやこれやと周りにもお手数を振りまき、申し訳ないですと思う気持ちも疎かになるくらい自分もお手数を抱え込み、だからってしょーがねえだろうがと開き直ってみたりしたらもう一瞬でキリキリッと険悪な空気が流れるから冗談でも言わないことにして、ではこのやるせなさをどこに持っていけばいいのか、だったら仕事やめればーみたいなことを言われると凹むばかりなので、仕事たのしい!育児たのしい!という言葉に妙にリキがはいったりして、ははは、時々そうゆう自分にはっとして、脱力する。もっとゆるゆるでいこう。ちょうど今、そうゆう午後です。


 るらちゃんの風邪がなおってきたので。ためこんで持ち帰っていた仕事がようやく昨晩片付いたので。はじめての花豆が甘さ控えめ、上手に煮えたので。るらちゃんが昼寝をしているので。外があったかいから起きたら散歩に行こうとほくほく楽しみにしているので。お昼のパンプディングがとてもおいしくできたので。


 子どもが1歳まではなるべく家で育てましょうとか、病気の時ぐらいはお母さんが看てあげましょうよとか、子どもはしょっちゅう熱を出すとか、以前は全然わかんなくて、なんとかなるさと思って仕事を再開したわけですが、もうはや1年以上経つんだ、本当に言われる通りのことばかり。1歳まではたいへんだった、授乳しに保育園に通った、離乳食が進まず困った、風邪ひいちゃ休んだ。1歳すぎてもたいへんだ、風邪ひいちゃ休む、肺炎だの気管支炎だのやって年休すっとんだ、病気のたびに甘えんぼになって付きっきりつきまとい状態になる。


 いつもそれなりに「たいへん」。でも「たいへん」の中身が変わる。そしてその中身とは、既に聞かされてきたことばっかりだ。信じるべきだなー。先達はあらまほしきことなり。


 でも、だったら家にいればいいじゃんって話でもないよね、とも思ったりするわけで。育児に専念とか、仕事にまい進とかって、いったい何なんだろうなーと。みんなそれなりにどっちつかずで、いいのではないか。複数アイデンティティを認め合えばいいのではないか。


 要するに私は、自分の胸に広がるやり場のない申し訳なさを、上手に解消したいわけなのです。誰にもヤイバを向けずに、穏便に穏便に。…という葛藤も、既に聞いた話。なるほどなるほど、先達はあらまほしきことなり。