まりにっき

まりにっき、お引っ越し。

たたかいの日々

土曜日、保育園でお迎えしたるらの連絡ノートには
「消化不良 多」の文字が書かれていた。
ここがスタート。


「機嫌よくすごせましたー」と、せんせいは言ってくれたけど、
迎えたるらの顔に不穏な空気を読み取ったことを白状する。
帰りの車内でさっそく爆発。うっわーーーーん。
「はいはい、おなかがすいたのねぇ、るらちゃん」
ちゃうわいと言わんばかりに夕食拒否。不機嫌まるだしのまま寝付く。


日曜日、るらは静かに革命を続行していた。
食事拒否。へちゃへちゃ。ぶーたれ。ぴー。へちゃへちゃ。わーん。ぴー。
しんどいのね、かわいそう、かわいそうだ、けれども、けれどもっ。
…ちょっとだけ、うるさい。
さいわい熱はなく、夕方には食欲も機嫌も戻り、ぴーも収まり、
万事めでたしめでたし。…かと思われた。
話はつづく。


月曜日。ふだんなら私たちは仕事休みなのだけどこの日は午前だけ用事。
帰ってきた後、あれれ、なんだかおかあさん、脱落していますよ?
か、からだが、動かん。あのね、足のつけねとひざんとこと、腰と、痛いの。
すまねえちょっと、横にならせておくんなまし。
うとうとうとうと。
どう?
…胃が、胃がいたーい。身体をタテにするとクラクラする。
これって胃の風邪?ああ、この感覚、いつぞやのそれに似ている。
おおお、
胃痛はつわりに似ている。
なんて発見をしつつも、ママちゃんはプチ育児放棄状態。
パパちゃんは即刻、ママちゃんに死亡宣告。
「今日はあなたムリです。明日のわれわれ一家のために、今日は死んでください」
おとなしくふとんに入って、死人プレイを楽しむ。
その隣でさわやかに歩むるらちゃん。踊るるらちゃん。なんか儀式的…。


火曜日の朝。ママちゃんは目覚めました。あああ、身体が動く。タテになる。
ありがたやありがたや。
そんな感動にひたるママの隣で、今度は新たな死者が…。
ぱ、パパちゃん!
「明日のわれわれ一家のために、今日は死にます。がくっ」
パパ、午前の仕事を休む。必死の思いでおかゆをすする。
その隣で、ぐわしっとおかゆを手づかみする子どもの姿。
せっかく切ってやったイチゴには目もくれず、
大人用のまるごとイチゴをつかんで口いっぱいにほおばる。でかすぎるだろ?
保育園に預けるときにせんせいに言いつけてやったら
「るらちゃーん、それはお腹が治ってからにしてー」って。


結局、努力と早めの手当てのかいあって、みんなすばやく生き返り、
今回は一家崩壊の危機にいたることなく、事態は収束したようです。
しかも子どもの苦しみを、親は身を持って体験できたというわけで、
痛みを共有できたね、みたいな、なんかハートウォーミングな、
でもぜったい2度とやりたくない話でした(だけどたぶんまたやる)。
教訓はこれ:
・痛みは本人にしかわからん。
・わかってあげられた時にはたいてい手遅れ。
・病は気力ではどうにもならん。
・寝ればなおる。
今後の参考にしましょう。